BUMPのストーリー性のある曲っていいよね

僕は昔からBUMPファン

僕は中学生ごろにBUMP OF CHICKEN(以下BUMP)に魅了され、それ以来ずっと新曲が出るたびに聴いています。

(ついでにいえば、BUMP結成の年が僕の生まれ年なので、どこか親近感もあります笑)

 

そんなBUMPですが、そのなかの魅力の1つに、「歌詞がひとつの物語になっている」というものがあります。

童謡のような歌詞、そしてボーカル藤くんの語りかけるような歌い方。
曲の中で物語が展開され、そのうえでメロディーや抑揚でそのストーリーの情緒を表現する。

僕はこれがたまらなく好きなんです。

 


トーリー性のある曲は俳句に似ている。

俳句は5・7・5という少ない言葉でその世界観を表現します。
使う言葉は最小限にして、それ以外の部分は読み手の理解に委ねるという、相手の気持ちを尊重する日本らしい文化です。

トーリー性のある曲も同様に、歌詞を必要なところだけ抜き出して、切って貼って切って貼って、ひとつの曲という枠に納めています。

文字数や自由度は違えど、その奥ゆかしさは俳句に通ずるものがあるような気がします。


今回はそんな曲たちのなかでもわかりやすく童謡のような歌詞になっていて、有名なものをいくつか紹介します。

 


ラフメイカー

言わずと知れた名曲。
一昔前のフラッシュ全盛期に、歌詞とAAを合わせた動画が人気を博し一気に世間へと浸透しました。

 f:id:attaka-man:20170716175248j:image

 

涙で濡れた部屋に ノックの音が転がった
誰にも会えない顔なのに もう なんだよ どちら様?
「名乗る程 たいした名じゃないが 誰かがこう呼ぶ"ラフ・メイカー"
アンタに笑顔を持って来た 寒いから入れてくれ」

ラフ・メイカー? 冗談じゃない! そんなモン呼んだ覚えはない
構わず消えてくれ そこに居られたら泣けないだろう

ルララ ルラ ルララ ルラ

大洪水の部屋に ノックの音が飛び込んだ
あの野郎 まだ居やがったのか 消えてくれって言ったろう
「そんな言葉を言われたのは 生まれてこの方 初めてだ
非常に哀しくなってきた どうしよう 泣きそうだ」

ラフ・メイカー? 冗談じゃない! アンタが泣いてちゃ仕様がない
泣きたいのは 俺の方さ こんなモン呼んだ覚えはない

ルララ ルラ ルララ ルラ

二人分の泣き声 遠く……

ドアを挟んで背中合わせ しゃっくり混じりの泣き声
膝を抱えて背中合わせ すっかり疲れた泣き声
今でもしっかり俺を 笑わせるつもりか ラフ・メイカー
「それだけが生き甲斐なんだ 笑わせないと帰れない」

今ではアンタを 部屋に入れてもいいと思えたが
困った事に ドアが開かない 溜まった涙の水圧だ
そっちでドアを押してくれ 鍵なら既に開けたから
ウンとかスンとか 言ってくれ

どうした?おい、まさか

ラフ・メイカー? 冗談じゃない!今更 俺一人置いて
構わず消えやがった 信じた瞬間裏切った
ラフ・メイカー? 冗談じゃない! 逆側の窓の割れる音
鉄パイプ持って 泣き顔で「アンタに笑顔を持ってきた」

ルララ ルラ ルララ ルラ

小さな鏡を取り出して 俺に突き付けてこう言った
「アンタの泣き顔笑えるぞ」

呆れたが なるほど 笑えた

 

 

K

こちらもラフメイカーと同じく、フラッシュ全盛期時代に絵をつけ加えた動画が話題となりました。

f:id:attaka-man:20170716175838j:image

 

週末の大通りを 黒猫が歩く
御自慢の鍵尻尾を水平に 威風堂々と
その姿から猫は 忌み嫌われていた
闇に溶ける その体目掛けて 石を投げられた

孤独には慣れていた 寧ろ望んでいた
誰かを思いやる事なんて 煩わしくて
そんな猫を抱き上げる 若い絵描きの腕
「今晩は 素敵なおチビさん 僕らよく似てる」

腕の中もがいて 必死で引っ掻いて 孤独という名の逃げ道を

走った 走った 生まれて初めての
優しさが 温もりが まだ信じられなくて

どれだけ逃げたって 変わり者は付いて来た

それから猫は絵描きと 二度目の冬を過ごす
絵描きは 友達に名前をやった 「黒き幸」ホーリーナイト
彼のスケッチブックは ほとんど黒尽くめ
黒猫も 初めての友達に くっついて甘えたが ある日

貧しい生活に 倒れる名付け親 最後の手紙を書くと 彼はこう言った

「走って 走って こいつを届けてくれ
夢を見て 飛び出した僕の 帰りを待つ恋人へ」

不吉な黒猫の絵など売れないが それでもアンタは俺だけ描いた
それ故 アンタは冷たくなった 手紙は確かに受け取った

雪の降る山道を 黒猫が走る
今は故き親友との約束を その口に銜えて
「見ろよ、悪魔の使者だ!」 石を投げる子供
何とでも呼ぶがいいさ 俺には 消えない名前があるから
ホーリーナイト」「聖なる夜」と 呼んでくれた
優しさも温もりも 全て詰め込んで 呼んでくれた
忌み嫌われた俺にも 意味があるとするならば
この日のタメに生まれて来たんだろう どこまでも走るよ

彼は辿り着いた 親友の故郷に 恋人の家まで あと数キロだ

走った 転んだ すでに満身創痍だ
立ち上がる間もなく 襲い来る 罵声と暴力
負けるか俺はホーリーナイト 千切れそうな手足を
引き摺り なお走った 見つけた! この家だ!

手紙を読んだ恋人は もう動かない猫の名に
アルファベット1つ 加えて庭に埋めてやった
聖なる騎士を埋めてやった

 


その他にもBUMPのストーリー性のある曲は
「くだらない唄」 「グングニル」 「ベストピクチャー」 「続・くだらない唄」
「リリィ」 「Ever lasting lie」 「天体観測」 「ベンチとコーヒー」
ダンデライオン」 「乗車権」 「車輪の唄」 「スノースマイル
「太陽」メーデー」 「プラネタリウム」 「ハンマーソングと痛みの塔」
かさぶたぶたぶ」 「arrows」 「ウェザーリポート」 「分別奮闘記」
「透明飛行船」 「Merry Christmas」 「ホリデイ」 「夢の飼い主」
銀河鉄道」 「プレゼント」 「歩く幽霊」 「ディアマン」

 

などたくさんの曲が存在します。

 

個人的にはかさぶたぶたぶが好きです。
あの歌の藤くんの歌声、やたら優しいんですよね。


最近のBUMPはマジで変わった

僕のほかにも、BUMPファンなら思っている人もいるでしょうが、最近は本当にバンドとしての方向性が変わった。

 

特に変わった点として、漠然とした歌詞の曲が多くなりました。
メロディーに電子的な音が多くなったというのもありますが、個人的には歌詞が1番大きな変化だなあと思います。

 

この記事で紹介しているようなストーリー性のある曲に関しては、2010年にリリースしたアルバム「COSMONAUT」を最後に、もう一曲も出してないんじゃないですかね?

 

テレビ出演やCM、アニメ主題歌など、メディアの目に多く止まることを考えると、やっぱり汎用性が高く使いやすい歌詞のほうが都合が良いのでしょうか…。


ていうか最近CMに出過ぎ笑


歌詞は聞き手それぞれの解釈に任せるという意味では、解釈の幅の広い良曲を作り続けているとは思いますが…
個人的にはやっぱり以前の直接的なメッセージ性のある曲も好きですね。

 

 

でも今のBUMPも好き。

よくYOUTUBEのMVなんかを見ていると、コメント欄に「このアーティストは変わってしまった」とネガティブに嘆く人がいますが、僕はこうして方向性を変えたBUMPも好きです。

その僕はBUMPというバンドそのものに魅了されているので、今後どんな方向性になろうがファンでいると思います。

 


今のBUMPも、昔のBUMPも好き。
でも時々、昔のBUMPももう一度見たいな。


それだけです。